どうも、たかやです。
毎日ニュースを見ていると、時々酸欠や一酸化炭素中毒などの死亡事故を目にします。
マンホールだったり、洞窟だったり、タンクだったりと場所はさまざまです。
私は前職でマンホールに入って作業をする事がありましたので、こういう事故は残念でなりません。
仕事でマンホールに入る時は、計測と換気は必須で確実に行わなければなりませんでした。
計測は、マンホールの蓋を開けたら計測機器を垂らして空気中の酸素などの濃度を測定します。
その際、マンホール内は広いので、高さや距離で測る場所を変えます。
最初に3箇所計測し、それから1時間ごとに場所をランダムに変えて異常がないか確認しながら、その結果や数値を用紙に記入していきます。
1度目の計測が終わったら、今度は換気です。
送風機という、全体としての形は筒状で、蛇腹の伸び縮みする部分をマンホール内に突っ込んで外の風を送る扇風機みたいなのを使います。
これをしてからやっと中に入って作業をします。
全ての作業が終わるまで換気と測定はやり続けていましたので、私は幸い酸欠や中毒とは無縁でいられました。
が、
そんなある日、同じ班の先輩と一緒にマンホール作業をするようになった時の出来事です。
私がマンホールの外にいて、先輩が中に入って作業をするという分担になりまして。
その時も測定と換気はしていたのですが、先輩が中に入って少ししたら、計測機器が異常を検知してアラームが鳴り出したのです。
私はこれまで何十回と計測機器を使っていましたが、アラームが鳴るのを初めて聞きました。
驚きながらも先輩に声を掛け、無事を確認しつつ周りを見渡したら、アラームの原因はすぐに分かりました。
使用していた発電機です。
送風機や計測機器を使うのには発電機が必要なのですが、これはガソリンを燃料にしています。
この発電機、使用時は排ガスを出し続けるのですが、その排気口がなんと送風機の吸い込み口を向いていたのです。
送風機は外の空気を吸い込んでマンホール内に送り込む装置なもんで、排ガスを吸い込んで中へと送ってしまっていたんです。
急いで発電機の向きを変えたらアラームは止みました。
先輩も体調におかしな所はなく一安心なのですが、実は犯人はこの先輩なんですよね。
先輩がマンホールに入る何十分も前から機器は使い続けてましたので、最初から発電機の向きが悪いわけではありません。
さらによくよく思い出してみれば、先輩はマンホールへ入る直前に発電機を自分で動かしていました。
通るのに邪魔だったのか何なのか理由は分かりませんが結局、『発電機の向きを変えたらどうなるか』という危険予測意識が欠如していた先輩の自爆だったわけです。
今回はみんな無事で、
『何をやってるんだか』
という笑い話で終わったから良かったのですが、こういった不注意で命を落としている人が世の中にはたくさんいるかもしれません。
慣れと油断と慢心は身を滅ぼしかねません。
注意一秒けが一生
先輩にはこの言葉を送りたい所ですが、まあ右から左に流してしまうか、すぐに忘れてしまうことでしょう。
この先輩はこれ以外にもいくつかやらかしている人でして、下手すると私が死んでいたかもしれないような事もやってくれてますから。