どうも、たかやです。
今日はニュースサイトで見付けたこちらの記事についてです。
妊婦の方がネットで大きな家具を購入して配達をしてもらった所、自分の身長くらいのサイズの段ボールが3つ届いたので、配達員に「ひとりで運べないから中まで運んでくれないか」と頼んだら冷たく断られた、と言う話でした。
女性で妊婦というのもあって同情的な声が上がる一方で、配達員の対応に「仕方ない」とする声もあるようですね、
まあ『優しさにあふれた』世界なら配達員の方も快く応じてくれそうですが、今の世の中はそう甘くはありません。
あらかじめ決められた事以外をすると余計なトラブルを招く場合がありますし、規定にない事をするのに料金を取らないと俺も私もと結局次から皆んなにやらなければならなくなる可能性だってあります。
私も前職では頼む人にとっては『このくらい良いでしょ』となるサービスをタダで頼まれた事が何度かありました。
例えば電柱を建てる部署にいた時の話ですが、よそ様の敷地内で穴を掘っていると、「ついでにここにも穴を掘ってくれ」と全然違う場所を指差す人がいたり、電柱を吊り上げる為のクレーンで「木の根っ子を抜いてくれ」なんてのはよく言われた物です。
他には辞める前の部署でも、
「ついでに庭にある木の枝が伸び過ぎてるから伐採してくれ」
「ついでに雨どいが詰まって流れなくなっているから掃除をしてくれ」
「ついでに置いてある荷物を運んでくれないか」
「前に来てくれた作業員はタダでやってくれたから今回もタダでしてくれ」
などなど、時にはまるで便利屋であるかの如く扱われた事もありましたね。
私たちの仕事からしたらまったく関係ありませんし、本来ならそれは対価となるお金を払ってやってもらうべき事柄なのですが、頼む人たちはそれを『ついでだから良いじゃないか』と無償でやらせようとします。
断ったり渋ったりすると『このくらい』と口にしますが、その『このくらい』と言う作業ひとつにとっても作業員の時間と労力が使われ、作業車にも使用した燃料代と負荷によるメンテナンス代が掛かるわけでして。
やってもらう人にとっては些細な事も、それをする労働者にとっては大変だったりそんな暇はなかったりするんですよね。
全ての労働には対価が発生する物であるはずなのに、そこに気が付かない相手の想像力の問題だったり、分かっていて『ついで』でタダにしてもらおうという魂胆があったりもするのでしょう。
やらされる方にとっては面倒くさいのですが、一方で頼みたくなる人の気持ちも分からなくもないです。
妊娠中だったり自身が怪我をしていたり、歳で体が動かなくなっていたりお金が無かったり。
いろいろな理由があるのは分かってはいますが、それを言い出したらこちらにだって断る理由があるわけです。
下手にホイホイと何でも引き受けていくと、『ついで』作業に時間を取られて本来の仕事に支障が出たり、『ヨソはやったのにウチはやらないのか』と言われてしまったり。
誰かにとってメリットしかない都合の良い簡単なお願いは、誰かにとってはデメリットしかない都合の悪い面倒で大変な仕事だったりします。
時間もお金も体力も心にも規定にも余裕があれば、たとえ対価がなくとも大抵の人は優しくなれて善意で動いてくれますが、現代ではなかなかそうもいかない場合が往々にしてあるのでしょう。
何とも世知辛い世の中ですよ、ほんと。
そう言えば配達で思い出しましたが、中身には問題ないのに商品を梱包していた段ボールの角が歪んでいるというだけでクレームを言っている人がいましたね。
どうせ捨てるのに何言ってるんだか。